聞いてほしい事③

メールフォームに投稿がありました。

投稿者の了解を得ていますので、ブログ上でお返事いたします。

こひぃさんより

【聞いてほしい事】 
食事時に、食べ飽きたり、食べたくないものをお皿から取り出してポイポイと投げ飛ばすことが増えてきました。
普段からボールやタオルなどを投げ飛ばす遊びが好きなので、それと同じような感覚で投げてしまっているのかもと考えています。
「食べ物だから投げてはダメだよ」と言って聞かせていますが、まだ1歳なのでボールは良くて食べ物がなぜダメなのかが分かってないのでどう止めさせていけばよいのか

 毎日の育児、お疲れ様です。子ども自ら食べられる環境にしているこひぃさんは、子どもの成長に必要なことをきちんと考えられている素敵なお母さんですね。『汚れるから』と手が届かないところに食事を遠ざけたり、食べ物が口の前に来たら反射的に口を開けるだけという食事環境のお子さんも珍しくありません。

 『食べ物を投げ飛ばす』これは、食事に関する悩みではそれほど長引かず、時期的なものであると思います。

 今は、『ボールは良くて食べ物がなぜダメなのかが分かってない』と思っているのかもしれませんが、ボールで遊ぶのと同じ環境で、食事はしていませんよね。お子さんは、わかっているのかもしれませんよ。少なくとも、理解までいかなくても、感じることはできると思います。

まず、なぜ投げ飛ばすのか考えてみましょう。

①空腹がある程度満たされて、食べ物が『遊ぶもの』に変わった。②食べたくないから、排除する。③投げた時の大人の反応がおもしろい。④口の中でモグモグしているので、手に取った食べ物を口に入れずに投げる。 などが考えられます。

 対策として、●空腹が満たされる量やタイミング、好き嫌いを把握し、盛り付けの量、おかわりの準備を整えましょう。●食べたくないものを投げ始めたら、強引に終了し、好きなもののおかわりは無しなど、毅然とした態度で臨むことも、時には必要です。●大人は、「投げてはいけません!」と無表情で短く伝え、投げた食べ物を片付けるのは、食事が終わってからする。などして落ち着いて食べられるようにしましょう。●口の中に入っている量が適量になるように、援助しましょう。●投げそうになったら、「こっちに入れて」と別の皿を用意するのも一つの方法ですね。

性格、発達段階、食への興味など、子どもにより違います。すべてのお子さんに万能な対策はありません。お子さんに合わせて、工夫してみてください。

ただ、忘れてはいけないのは、『食事時間が苦痛になってはいけない』ということです。エプロンをつけ、「いただきます」。食べ終わり、エプロンをはずして「ごちそうさま」をして席を立つまでが、食事の時間です。その間は、食事のマナーについて根気よく伝えるのは必要です。完食させよう、嫌いなものを食べさせようと躍起になるのではなく、周りの大人が、「おいしい」と楽しそうに食べる姿を見せるのも、大切な食育です。

『せっかく作ったのに、食べなかった。投げ飛ばされた。』と、がっかりしたり悲しかったり怒りを感じたりするのは当然です。その感情は、子どもの食事に対して頑張っている証拠として、ご自身の誇りにしてください。

 食事は、一生する基本的な生きる行動です。「食べなかった」「偏りがあった」と感じても、どこかで辻褄を合わせたら良いと力を抜いて、楽しく食べて、幸せを感じる時間にしてくださいね。